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リオ五輪で仲間入りするニューフェイス、難民

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過去までは禁じられていた難民のオリンピック出場。 それが10月26日の国連総会議にて、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長による演説があり、許可が下りた。

 

バッハ会長の取り組み

バッハ

画像引用:http://dentsu-ho.com/articles/446

 

難民はこれまで、五輪参加標準記録を持ち競技の出場資格を満たしていても五輪の出場機会がなかった。

 

そんな中、2012年に開催されたロンドン五輪では、南スーダン出身で難民の選手が特例措置として個人資格で男子マラソンに出場した例がある。その翌年9月にIOCの会長に就任したドイツ人のバッハ氏は、スポーツと平和の分野において、国連との連携を強化してきた。

 

そして今回、バッハ会長は国連に参加する193ヶ国に対して2016年のリオ五輪に出場が出来そうな優れた選手を選び出すようにと呼びかけた。

これにより、出場資格を満たす難民アスリートたちも五輪への参加が可能となった。彼らは選手村にて、11000人もの各国の選手たちと共に過ごせることになる。

 

トーマス・バッハ会長の思い

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バッハ会長は国連総会議の演説において、オリンピックでの難民参加に対して以下のようにコメントしている。

“Having no national team to belong to, having no flag to march behind, having no national anthem to be played, these refugee athletes will be welcomed to the Olympic games with the Olympic flag and with the Olympic anthem,”

訳: 所属するチーム(国)がなくても、共に入場する国旗がなくとも、会場で流れる国歌がなくとも、オリンピックの旗と賛歌とともに、難民の選手たちはオリンピックへの参加を歓迎される

 

“The Olympic Games are the time when the values of tolerance, solidarity and peace are brought to life,” ”This is the time when the international community comes together for peaceful competition.

訳: オリンピックはこの世に寛容と団結、そして平和をもたらすものである。今こそ国際社会が平和な試合のために一体となる時だ。

 

“This will be a symbol of hope for all the refugees in our world and will make the world better aware of the magnitude of this crisis,”

訳: この機会はこの世界にいるすべての難民にとって希望の象徴となり、世界にこの危機の重大さ知らせるであろう。

彼はオリンピックスポーツというものを

“all people are equal, regardless of their race, gender, social status, cultural background, faith or belief.”

(すべての人間は人種、性別、社会的立場、文化的背景、そして信条や信仰に関係なく平等である。)としている。

 

難民の参加受け入れ決定は、彼の思う、そして世界が目指すべきオリンピックの理想形の完成に大きく貢献したのではないだろうか。

 

難民へのその他の対応

リオ五輪

画像引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/

 

バッハ会長は、難民のオリンピック出場を受け入れる以外に、以下のサポートをすると表明している。

 

レベルの高い難民のアスリートたちがスポーツ選手としての活動を続けていけるための手助けをする。私たちは、彼らが暴力や飢えから逃げなくてはならならない時でも、スポーツの卓越性に対する夢を叶えるサポートをする。

 

IOCは難民にスポーツを通して希望を届けるために200万ドルを寄付する

出場可能となった難民選手たちは、個人出場となり、開会式へは五輪の旗と共に入場行進する。過去の五輪までとは一味違う、より希望と平和の笑顔の増えた、リオデジャネイロ五輪の開催楽しみにしたい。

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ライター名:高階 萌 TOKYO+