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インタビュー
【子どもたちの声を社会へ】『子ども国会』が目指すものとは
「子どもへこれからの社会と向き合うきっかけを提供する」をコンセプトに中高生が社会問題について討論するイベントを行っている『子ども国会』
今回は子ども国会実行委員会第11期代表である早稲田大学教育学部2年の野田雅満さんと実行委員会の運営メンバーにお話しをうかがった。
子ども国会は、中高生が集まり、社会問題についていくつかの分科会に分かれ、1泊2日で討論するイベントだ。
話し合った結論は「宣言書」という形にまとめて採択し、後日国会議員をはじめとする大人の方々に手渡すことで、子どもたちの声を社会に届けている。
子ども国会実行委員会は2004年10月に結成された任意団体で、高校生・大学生などで構成されています。 最初は「世界中の子どもに教育を」キャンペーン2004の一環だった「子ども国会」ですが、「来年以降も続けてほしい!」という参加者の意見から、毎年子ども国会を開催する団体として子ども国会実行委員会が設立されました。
子どもたちの声を社会に
「子どもへこれからの社会と向き合うきっかけを提供する」
私たちの理念は、社会において私たち「子ども国会」が社会的な役割としてこうあるべきだという状態を表したものです。
今の社会には、環境、教育、国際…向き合うべき、答えのない問題がたくさん取り残されています。しかし、これからの未来を担っていく子どもたちには、社会問題について深く考える機会も、誰かの意見を聞く機会も、自分の意見を発信する機会もありません。
また、社会を作っているのは、知らない政治家や国会議員などの「自分ではない他のだれか」であり、子どもたちは自分たちがこれからの社会を担っていくのだという意識を、今の学校の中だけでは なかなか得ることができません。
このままで、社会はよりよく変わり続けることができるのでしょうか?
私たちの理念は、そうした社会において私たち「子ども国会」が社会的な役割としてこうあるべきだという状態を表したものです。
「子ども国会」では、学校や年齢を越えた様々な人たちと出会い、多くのことに関心を持ち、視野を広げ、社会に声を広げることができます。そのような機会と場をつくっていくことが、私たちの活動です。
「夏の本会議は中高生の実行委員がファシリテーター(話の進行役)として議題を用意して、大学生などのベテランはサポーターとして企画書のチェックをして、『こういうところがまだ弱いね』などアドバイスをしていいものにたたき上げている。大学生が中高校生を育てる、立派になれるように意識してサポートしている。」と代表の野田さんは語る。
上の世代が下の世代を支えることでより良いものにしているのだ。
運営メンバーは中高生、大学生が中心だ。
中高生で運営に参加するメンバーに子ども国会に参加したきっかけを聞いてみた。
すると「お盆が暇で参加した。」や「もともとすごく興味があったわけではないが、思ったよりアットホームな形で討論できて、自分でも作りたいと思い入った」など理由はさまざまであった。
代表の野田さんは「高校生の時に7期の子ども国会に参加し当時の代表に誘われ、入ることにした」という。
中高生ながら運営に参加しているとは、その意識の高さに驚かされた。
子ども国会の良さ
子ども国会の良さについて野田さんは
「やっぱり一番魅力だなと思ったのは4、5年経った当時の代表がいまだに関わってくれている、10年前参加者だった人がまだまだ、この子ども国会に関わってくれていること。今の中高生が当時の中高生と話すことができる、っていうのが子ども国会が続いている理由かなと思いますね。」と語る。
今の運営メンバーは子ども国会参加者が大半。このようなつながりが子ども国会をより良いものにしているのだ。
また、中高生も大人顔負けだと語る。
「パワフルなんですよね。自分も高校生で実行委員をやってたのもあってその苦労はいろいろわかってる。テストとか大変で文化祭ある、修学旅行もある、とイベントもりだくさんですからね。その合間を縫って自分の時間をどううまくこちらに割いてくるかっていうところに覚悟やる気がないと、こうやってわざわざ自分で時間を作るってことはまずないですから。『込める熱』。そういう意識には大学生ながら高校生、中学生に尊敬しますね。」
この団体を五輪カラーで表すと?
最後に、この団体を五輪カラーで例えると何色かをうかがった
「子ども国会としては青ですね。子ども国会のテーマカラーである青とオレンジが与えるイメージが誠実さ真面目なので、そういうところが表れていると思います。」
「あと、子ども国会のロゴのKは誰にでも開かれた門という意味があるんです。色んな人に開かれた国会への門。それもこのロゴに表れているんです。」
今回子ども国会に取材して中高生のパワフルさに驚かされた。
若者が活躍する将来を実現させるためには若者自身が議論し発信していくことが重要だと感じた。
子ども国会 http://kodomokokkai.web.fc2.com/index.html
ライター名:三井田尚寛 TOKYO PLUS+