スポーツ
1つのボールからつなげるスポーツの可能性。ブラインドサッカーの魅力とは!?—前編—
皆さんはブラインドサッカーという競技をご存知でしょうか?
ブラインドサッカーは、アイマスク(目隠し)をして行う視覚障害者のサッカーでパラリンピックの正式種目です。2020年東京パラリンピックでも実施が決定しました。
3月28日・3月29日に神奈川川崎市のフロンタウンさぎぬまでブラインドサッカークラブチーム選手権2015が行われました。
昨年、東京で世界選手権が開かれメディアに取り上げられることも多くなったブラインドサッカーですが、まだまだ知らない方も多いのではないでしょうか。今回はブラインドサッカーの魅力を二度にわたってお届けしたいと思います。
画像引用:http://www.b-soccer.jp/7920/event/20150329.html
音と声を頼りに。ブラインドサッカーってどんなスポーツ?
大会会場はフットサルコート、ピッチには4人のプレイヤーとキーパー。
フットサルとの大きな違いは4人のプレイヤーはアイマスク(目隠し)をつけ、全く見えない全盲状態で競技を行うことです。
「目隠しをしてのサッカー?」と思った方も多いのではないでしょうか。ブラインドサッカーのルールはフットサルのルールをベースに目隠しをしていてもプレイができるように工夫されています。
プレイヤーは目隠しをして競技するためボールには鈴が入っていてプレイヤーはボールの音と正眼者(あるいは弱視者)であるゴールキーパー・相手ゴールへとプレイヤーを導くガイド(コーラー)・サイドフェンスから中盤のプレイヤーに指示を出す監督の声を頼りにプレイします。ピッチのサイドライン上にはボールがピッチ外に出ないように壁と呼ばれるフェンスが置かれ、試合中にはプレイヤー同士がぶつかり合う音が響きます。
画像引用:http://www.b-soccer.jp/aboutbs/aboutbs_2
「ボイ!」という声とともに
試合中ピッチでは「ボイ!ボイ!」という声が頻繁に聞こえてきます。アイマスクをしてサッカーを行うため、ボールを保持しているプレイヤーからはボールの音が聞こえますが、ボールを保持しているプレイヤーは相手のプレイヤーがどこからボールに向かってくるかわかりません。そのためボールを持っていないプレイヤーはボールに向かう時にはスペイン語で「行く」という意味の「ボイ!」という言葉を発します。これは相手に自分の存在を知らせることで危険な衝突を防ぐためのルールで声を出さずにボールを奪いに行くと「ノースピーキング」というファールになります。試合中はこの掛け声とともに目隠しをしていることを観客が疑うほどのスピードで相手からボールを奪いにいきます。その迫力もブラインドサッカーの魅力のひとつです。
画像引用:http://www.b-soccer.jp/aboutbs/aboutbs_1
今回はブラインドサッカーがどんなスポーツかについてお届けしました。
次回は3月末に開催されたブラインドサッカークラブチーム選手権の様子をお伝えします。
ライター名:Kana Takahashi