• 歴史
  • 豆知識

オリンピック

オリンピックを語ろう【知ったかぶりしてない!?】世界最大の祭典の起源

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

聖なる休戦

オリンピック起源1

4年に1度、世界中から人が集まり感動を分かち合うスポーツの祭典、オリンピック。

今からおよそ3万年前にも、私たちと同じようにスポーツに情熱をささげる人々がいた。

古代ギリシアのエーリス地方、オリンピア(古代ギリシア語の発音に沿い「オリュンピア」

とも転記される)に住むアテネ人である。

オリンピックの始まりは、全能の神ゼウスを崇めるための祭であったと言われている。

ギリシア全土に広まったこのスポーツの祭典はその期間中すべての戦が禁止され、

「聖なる休戦」として人々の生活に平和をもたらしていた。

この祭典はギリシアが大帝国ローマに征服された後も続けられたが、

ギリシア神を称えるものとして始まったものが

キリスト教を国教とするローマの政策に沿うものではなかったため、

1169年受け継がれた伝統は、ローマのキリスト教が国教と定められたのと同時に終わりを迎える。

世界平和の実現のために

オリンピック起源

そして時は流れ1892年、

1人のフランスの教育者の手によって、再び人々の心にオリンピックの火がともされる。

彼の名は、ピエール・ド・クーベルタン。

1870年の普仏戦争により国威が衰えた母国フランスを改革する熱意に満ちた若者であった。

彼は「フランスの若者を変えるには教育が必要だ」と考え、

パブリック・スクールを視察に渡英する。

そこで多くのイギリス学生がスポーツに精力的に取り組む姿に感銘を受け、

スポーツこそがフランスの教育を変革する鍵だと気付くのである。

「スポーツこそが規律を重んじ、心身ともにバランスのとれた若者をつくるだろう。」

その後、アメリカなど世界各国をまわる中で

彼の構想は世界規模のスポーツの祭典へと発展していく。

かつてのギリシアと同じように、世界平和をスポーツよって実現しようと考えたのである。

「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、

友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、

平和でより良い世界の実現に貢献しよう」

120年の歴史の1ページ目

オリンピック起源3

しかし開催までは決して楽な道のりではなかった。

周囲の反対、開催国ギリシアでの財政難や国内政治の不安定など、多くの障壁が立ちはだかった。

しかしクーベルタンは、世界平和の夢をあきらめることなく奔走し続け、

ついに1896年、その夢は現実化された。

オリンピックの故郷ギリシアのアテネにて、13カ国から295名の参加により

第一回目の近代オリンピックが無事開催されたのである。

「人生で重要なことは、勝つことではなく戦うこと。

相手を打ち負かしたことではなく、いかによく戦ったかが最も大切なのである。

人生は闘うがゆえに美しい。」

心身ともに強い若者であれという彼の想いは、

120年近くたった今でもオリンピックの精神の中に生き、

多くの人に勇気を与え続けている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ライター名:AYAKA